

千と希の設計図 web版 2025年11月号
マネと創造のあいだで 少し前、ある人気イラストレーターの“ トレス疑惑 ”がSNSを騒がせました。モデルの横顔を参考に描いたイラストが「写真の模倣だ」と炎上し、過去作まで掘り返される事態に。実際にはモデル本人とのトラブルもなく、著作権法にも触れていませんでしたが――広告の世界では「事実」よりも「イメージ」が命。 おそらく広告主としては「ケチのついた作品は使いづらい」と判断したのでしょう。結果的には事後承認の形になったことが問題視されましたが、著作権法違反はあくまで“親告罪”。つまり、本人が訴えない限り“罪”ではありません。にもかかわらず、関係のない第三者が正義を掲げて糾弾する――これが現代の“ネット裁判”。正しさよりも「叩けるものを叩きたい」という欲求が勝っているようにも見えます。今回は、そんな出来事をきっかけに「 制作側のリアルな感覚 」を少しだけ共有します。 マネはいくらでもやる 人はインプットなしにアウトプットできません。意識していなくても、どこかで見たもの、聞いたもの、感じたものが、自分の作品に溶け込んでいるはずです。つまり、...






















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