

絵画教室でアニメやマンガのキャラクターを描くことについて
私はデザイン会社の代表および絵画教室の塾長を務めさせていただいておりますが、小学生の時はマンガが大好きで、その絵を真似して絵を描き始めたのが、今の人生のスタートでした。私の時代では、ドラえもんやDr.スランプ、ガンダムなどが流行っていたので、最初は真似をして描き、次に何も見ないで描く、という練習をしていました。当然学校では教えてくれませんから(当時はマンガそのものが教育に良くないと思われていた感もありました)、完全に自分の趣味です。今はアニメやゲーム、マンガの世界も絵的なクオリティが上がり、魅力的なキャラクターもたくさん存在しています。それを真似して描きたいと思うのは自然なことだと思います。
そんな少年が大人になり、絵画教室を開いてみましたが、なんとそこではアニメやマンガのキャラクターを描くことができません。なぜなら、そのお手本は私共が作ったものではないからです。他の作家さんが作ったキャラクター(絵)を、私共が勝手に教材やお手本にして指導するわけにはいきません。描いた絵がどのように使われるかは、作った人だけが決めることができます。この権利を著作権と呼びます。この権利は作家さんのもので、営利、非営利を問わず、それを無断で利用するのは作家さんの権利を奪うことになります。

その代わり、イラストタッチの人物の描き方や、人体のバランス、服のシワの描き方、手足のディテールなどの描き方をお伝えすることは可能です。クラスでは特定のキャラクターは描けませんが、ご自身でイラストを描く際に役に立つ技術のアップにつながるでしょう(難易度に応じて大人クラスをお勧めしています)。ここで感覚を掴めば、この先どんなキャラクターを描きたい時でも、応用がきくはずです。
好きなキャラクターを描けないのは私も残念ですが、キャラクターの作家さんへの憧憬を持ちつつ、絵を楽しんでいきたいですね。

著作権について素朴な疑問 |
Q トレース(写し描き)でなく、模写なら良いのでは?
A 見て描く行為も複写と見なされるため、著作権(複製権)の侵害となります。
Q 以前絵画教室で行った名画模写はオーケー…?
A 著作権は作家の死後70年で消滅します。作品の価値は変わりませんが、自由に模写ができるようになるので、過去の先達から学んでまいりましょう。
Q 誰にも見せないからいいのでは?
A はい、ご自身やご家族に見せて共有するのは問題ありません。絵画教室の先生を含めてもプラス一名ではないか、というご意見ももっともですが、私共の立ち位置を客観的に見ますと「他人の作品を教材にしてお金をいただいている」ということになりますので、心苦しい限りです。
Q 同人誌即売会では多くの人がキャラクターを模写して本を販売しているではないか
A 文化の継承を促進させる観点、また具体的に著作者が被害を被っていないことから大目に見てもらえている、という現状です。いかなる複製も許容しない作家さんもいらっしゃるので、その方の作品が出回ると訴訟の対象になると思われます。
Q 教育の現場での使用は許されると聞いたが
A 一部、教育の現場での使用は許されております。文化庁の著作権法35条にはその旨の記載がありますが、そこで規定されている「学校その他の教育機関」に当絵画教室は該当しません。
キャラクターとは |
厳密にいうとキャラクターそのものに著作権は存在しません。「何を言ってるの?」というお話になりますが、私が理解している範疇で申し上げると、キャラクターというのは「性格や外見等を組み合わせた抽象的な概念」という定義づけがされます。例えば「22世紀から来た青くて耳のない猫型ロボットで、お腹に四次元ポケットがあり、ネズミが苦手、好物はどら焼き、尻尾を引っ張ると止まる」といった特徴があるキャラクターといえば、ドラえもんだとわかります。これは概念にあたりますが、この条件から、ドラえもんを全く知らない人が想像で描いたとすると、全く違ったものが出来上がりそうです。例えば下記の左の絵。
この絵は「ドラえもん」の概念を具現化した形の一つではありますが、みんなが知っているドラえもんとは違います。同じ概念でも無数の表現が可能になるため、キャラクターという概念に著作権を設定できない、ということかと思われます。上記の概念をマンガ家が表現として世に出した「あの有名なドラえもん」の絵柄には著作権があり、他の人が勝手に複製して使用してはいけません。そしてこの絵は概念と一緒に存在することで唯一無二の存在になっていくのです。


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大雨浸水ハザードマップ
すっかり梅雨の只中、先日大雨浸水ハザードマップが配られました。会社のあたりは隅田川のすぐそばなので、相当危険なのかと思いきや、案外そうでもなく少しほっとしました。とはいえ警戒区域には入っているので注意は必要です。こんなふうに、どの辺りが危険なのか頭に入れておくのは大切ですね! 大雨で危ないなと感じたら、適切に避難しましょう!


永代公園沿いに連なる歴史の看板を発見。江東区の開発の歴史は徳川時代からだそう。

会社の前に咲く紫陽花。最近はいろいろな種類の紫陽花が咲いていますね!
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●デザイン絵画教室がひらく絵画教室だより
5月の課題
「はじき絵」

6月の課題は白いクレヨンで絵を描いて、上から水彩絵の具で色をつけると…あら不思議 ! クレヨンの白い線だけ浮いてくる ! というはじき絵でした。そのヒミツは油性のクレヨンがお水をはじくことです。今回は絵の具での色作りにそれぞれの個性やこだわりが見られました。テーマはあじさい ! 雨模様の作品が多かったのですが、百人百色、いろいろな空の色ができました !

●最近のできごとぽろぽろ
今月は購入物の記事ばかりになってしまいました(笑)

撮影用食器を増やしました!
撮影用食器を買いにいきました ! いろいろなジャンルの食材や料理に合わせるので、選ぶのも大変 ! なるべくシンプルで素材を邪魔しないものを選んでいます。

高級マンゴーあらわる
撮影用に入手できたマンゴーがなんとなんと一つ3000円 ! 社長は「ちょっと高すぎない??」と嘆いていましたが、社員たちは美味しい高級マンゴーを食べられて幸せのひととき。

デッサン人形購入しました
絵画教室用に新しいデッサン人形を購入しました ! 小さいけれど関節ひとつひとつが曲がり、手の形も交換可能な優れものです。マンガイラストや人物画の練習に役立ちますので、ぜひ描きにきてください !
救急箱を新調!
絵画教室と事務所用に、救急箱を新調しました ! この救急セットが活躍しないのが一番ですが、万が一に備えて応急手当ができるように準備しております !

■スタッフの声■
朝から暑い日が続いていますね。永代付近も緑がいっぱいで初夏の陽気を感じてきました。体調に気をつけて日々過ごしていきたいと思います! (佐久間)
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2022年
2021年

カッターナイフの使い方 |
習わないカッターナイフ
突然ですがカッターナイフの使い方を学校で教わった記憶のある方はいらっしゃいますか?
肌感としての見解ですが、おそらく授業でカッターナイフを取り扱うか否かは学校によってまちまちのようです。ハサミはかなり小さい時(幼稚園くらい?)から「お道具箱」の中に入っていたように思いますし、私も親から教わった記憶があります。ところがカッターナイフとなると…?
絵画教室に来てくださっている生徒さんに聞いても、学校でカッターの使い方を教えてもらった人は非常に稀でした。では、私たちはカッターナイフの使い方をいつ、誰に教わったのでしょうか。

カッターナイフは危険なのか
小さい頃にカッターナイフを使わせない理由はおおよそ想像がつきます。ハサミに比べカッターナイフは切れ味が鋭く、歯も脆いため、小さなお子様に持たせると危険、という判断ですね。刃物なので、取り扱いには注意が必要ですが、包丁や彫刻刀は授業でも扱うので、カッターナイフもしっかり使い方を教えてあげればよいのでは?というのが私の見解です。
ちなみに私は小学校3年くらいのとき、競技用の紙飛行機作りにハマった時期があり、その時に使いまくりました。その紙飛行機の本に手順が詳しく掲載されていたので、見よう見まねで試していたのかもしれません。
大人になってもカッターを使ったことのない人のカッターを使う手元を見ていると、かなり不安になるものです。とはいえ、難しい技術ではないので、経験者の元で数分でも手ほどきを受ければ充分です。

習わぬなら、
習ってしまおうホトトギス
今までも絵画教室では少しは使っていたのですが、当然の事ながら習っていない子供たちにとって、紙を切るために使いやすいのはハサミですので、自分で選ばせるとハサミを使用してしまいます。そこで、今回の絵画教室ではカッターナイフを積極的に使った課題にしてみました。いつかはやってみたいと思っていた課題のひとつです。(ちなみにハサミの使い方もおさらいできたらいいな、とは思っております)。幸いにして当絵画教室はマンツーマンの少人数制なので、生徒さんの手元を先生がしっかり注視することができます。大人の方も、これを機に「カッターナイフを使える人」にランクアップしてみてはどうでしょう(笑)。
具体的な使用ポイント |

刃の前に指を置かない
基本にして全て、安全上の注意はこれに尽きます。うっかりやりがちなのが、物差しを支えている手の指先が、物差しよりも飛び出てしまう時。勢いよく刃を進ませた結果は想像したくありません。本当に注意が必要です。
方向転換は最小限に
なかなかの大きさですので、手は抜けません。大枠としては地図ソフトの3D機能を使ってガイドとしたのですが、完成したイラストは、実際の地形とはかなり違っています。というのも、そのままバードビューで描くと、思いのほか海の面積が多く、陸地(施設)がこじんまりと見えるのです。そこで、各人工島を拡大し、マップの中が楽しい空間になるように工夫しました。ここで難しかったのが「ゆりかもめ」です。ご存知「ゆりかもめ」は各陸地を結ぶモノレールで、お台場を楽しむにはこの路線が重要ですので、人工島の拡大によってずれてはいけません。

紙の方を動かす
特にデザインナイフなどのカッターナイフを使うシーンでは、上下左右に複雑な形を切り抜く場合が多いでしょう。この時はカッターの刃の向きを手首や指先で変えるのではなく、紙の方を動かして、カッターナイフ自体はあまり動かさないようにするのがセオリーです。こうすることで、刃に均一に力が入り、切り口がきれいになります。刃欠けも予防できます。

カッターナイフは紙を加工する上では切っても切り離せない道具です(カッターだけに)。

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巽橋を工事中!
昨年7月より会社のそばの巽橋の工事が行われています。現在は車両は迂回しなければいけなかったり、ちょっと不便に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?来年の今頃には完成しているかも…。筆者は実はまだ工事中の巽橋しか見たことがありません(笑)屋形船が通る様子を見れるのを心待ちにしています。新しくなった橋を早く渡ってみたいですね!

こいのぼりが橋を彩る5月。 迂回路の案内板。
いつもの風景が楽しくなりますね。 もうすこしの辛抱です。

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●デザイン絵画教室がひらく絵画教室だより
5月の課題
「切り絵カード」


今月の課題は母の日のプレゼントにもぴったりな、切り絵カード ! 今回は細かい切り抜き作業が得意なデザインナイフを使いました。この切り抜き作業がなかなか大変 ! 苦戦したあとはパステルでグラデーション作り。色選びには本当に個性が出て、みんな思い思いに色をつけてくれました ! 最後に切り抜いたカードとグラデーション を合わせてみたときは感動 ! 今回もいろんなアイディアが飛び出して、こちらもとても楽しませてもらいました。

●最近のできごとぽろぽろ

千と希、1周年!
「千と希の設計図」、2021年5月から始まり、おかげさまで1年以上続いています ! 制作現場の様子や絵画教室、永代のニュースをこれからもお届けしていきますのでお楽しみに !

新入社員が仲間入り
4月と5月から新入社員として仲間に加わったのが写真の2人 ! 記事を書いているのは5月に加わりました新入社員の山本です(写真左)。気合十分 ! これから精一杯がんばります ! どうぞよろしくお願いいたします。

似顔絵イラスト勢揃い!
こちらのイラスト、新入社員2人も描いてもらい、感激 !(下段2人)こういうイラストがさらっと描けてしまう先輩、さすがです !
ほかにも、メンバーそれぞれ特技を持っています。
商品の容量、測ってます
カタログに掲載するコーヒーの容量を計測しました。お客様から情報をいただくことが多いのですが、ときには私たちで作業することも。このあとカップの中にどのくらい水が入るかも計測しました。

■スタッフの声■
朝から暑い日が続いていますね。永代付近も緑がいっぱいで初夏の陽気を感じてきました。体調に気をつけて日々過ごしていきたいと思います! (佐久間)
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