
無理を言うひとたち
いきなりデザインの話とは離れますが、毎月開いているいるこども食堂で、予約の締め切りを過ぎてから「すみません、締め切り過ぎちゃったんですけど、一人分追加をお願いできますか?」というリクエストをいただくことがあります。ちなみに用意しているお弁当の数は150食。その150食分が予約でいっぱいになったら締め切ります。
図々しさとは
さて、ここで思うのはこの「ゴリ押し」とも思えるリクエストをどう受け止めればいいのか? というところです。一般的に考えれば、ルールを無視して我を通そうとするのは「わがまま」「恥知らず」のように思われがちです。しかし、フラットに考えれば、そこまで悪いことばかりではないかもしれない、と思い始めたのです。
デメリットとして考えられること
●一人分が減る
…150食用意している材料に対して、151人ですと、全員のお弁当が本来の分量から少しずつ減る、と考えられます。ただこの場合、一人ずつのお弁当の変化は1%未満ですので、体感できるものではありません。160人でその変化が6%と考えると、10人くらいまでは許容できそうに思います。
●余分に食事を用意するために費用がかかるor労力がかかる
…先の計算で10人以上増えると、やはり元から増やさなくてはいけません。ご存知の通り、こども食堂はお弁当が出て行けば出て行くほどに赤字になります。
●締め切りがきたので諦めた人がかわいそう
…ルールを守った分別のある人が損をする世界にいたくない。その通りですね。例外的なルールがまかり通ると、ルールそのものの信用が落ちます。組織を運営するにあたってはルールを遵守すること、させることは大事なことです。その一方で、ルールを破ってまで申し出をする人が子供だったらどうでしょう。子供は道理が通ってなくとも、「〜したい」「〜がほしい」と言ってきますよね。親の立場なら、社会のルールとして、しっかり筋を通すことを教える反面、子供の一途なエネルギーに思わず心が動いてしまう経験はみなさんもあるでしょう。
ルールを軽んじるわけではありませんが、ルールで固められたこの社会の中で、私たちの心が動かされるのはルールを無視した「ひたむきなゴリ押し」であったりします。これは損得では割り切れません。がっきー社長としては、そういう心の潤いを求めてこども食堂をやっているので、結論としては、「渋い顔をしながら受け入れ、それに応えることで自己満足を得る」という選択をするでしょう(笑)
聖書の中のある一節を引用します。
「〜求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。 あなたがたのだれが、パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。 魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。 このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして、あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。〜」
「このくらいはできる」の危うさ
さて、デザインの話にもどりますと、以前、弊社では単語テストを週一で行なっていました。中学生で習う単語をほぼ網羅して復習するというものです。これを行なった理由としては、デザイン上飾りとして入れる英語の単語(SpecialとかAnniversaryとか)のスペルミスが多発していたからです。結果は二極化され、スタッフの半分(仮にAグループとします)は酷い成績で、中学生の時に何を習ってきたのかな?と思わざるを得ない出来でした。もう半分(Bグループとします)はほぼ90点台という成績です。がっきー社長はAグループの人にどうやったら英単語を覚えてもらえるだろうか、と悩みましたが、ここで不思議なことが起こっていました。それはAグループの人の方が仕事上でのスペルミスが圧倒的に少ないのです。逆にBグループは以前と変わらずつまらないスペルミスを繰り返します。これはつまりこういうことです。Aグループの人は今回のテストを経て、「自分は英単語を覚えていないんだ」と自覚し、デザインで英単語を使う際には常にネットでスペルを調べ、コピペをしてデザインに反映させていたのです。反面、Bグループは「これくらいは流石にわかるわ」と思って思わず手入力をしてしまった結果、間違いが発生するということです。
さぁて、あなたが社長ならどちらの社員を評価しますか?
ある程度できるようになってくると、基本をすっ飛ばして中盤からスタートするようになります。
デザインにおいては、まずはレイアウト・文字組みをしっかり決めてから次に進むのがセオリーですが、思わず色や写真から作り込んでしまいます。実際その方がやりやすい、と感じるかもしれませんが、これは素人のやり方そのもので、変なお箸の持ち方が身についてしまった子供が「このほうが掴
みやすいよ」と言っているのと同じで、一流になればなるほどやらないプロセスです。うまいデザインは色がモノクロでも、写真がなくても、その配置で違いがわかります。基本プロセスを極めることが、次のステージに進む大事なプロセスです。

沖縄研修レポート
スタッフ4人で、4日間の沖縄研修旅行に行ってきました。製作や鑑賞、運動、料理、みんなで様々な体験をしたこの研修の1番の成果は、スタッフのチームワークができたことだなと思います。他にも仕事についてじっくり考える機会になり、感受性も刺激され、視野も広がりました !

【1日目】
夜22時に宿に到着。この日はコンビニ飯を食べて就寝…