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Image by Dong Cheng

千と希の設計図 web版 2021年11月号



コーヒーは苦くて苦手


よく食べ物について「○○が苦手」という話をすると、「それは本当においしい○○を食べてないからそう言うんだ」と返されることがありますが、私の場合、殊コーヒーに関してはその通りでした。つまり「本当においしいコーヒーを飲んでいなかった」ということです。それまではコーヒーといえば苦い飲み物で、紅茶ばかり飲んでいました。

そもそもおいしいコーヒーとはなんなのか、個人の好みではないのか、という疑問があります。これはまず豆の段階で大きく4グレードに分けられているようです。


上図の頂点にいるスペシャルティコーヒーが良質なコーヒーということになりますね。私はこれを飲んでいなかったのです。スペシャルティコーヒーは頂点ではありますが、一般人が手に届かないようなものではありません。スターバックスなどで出されているコーヒーもこのランクです。

 


当社スタジオで撮影したコーヒーのシーン



味はほぼ豆で決まる


焙煎や抽出も、コーヒーの味を左右する大きなポイントではありますが、生産者でない私たちは、豆の品質には手を加えることができないので、後工程に拘らざるをえない、という事情もあります。しかし、その味の決め手になるのはやはり豆そのものだそうで、その産地や銘柄で価格が違うことからも理解できます。

コーヒーについて、その製法や成り立ちなどをいろいろ教えてくださったのは、弊社のクライアントで、創業100年を超える会社の社長さまです。世界各国のコーヒー農園に足を運び、現地でカッピング(試飲)して豆を仕入れるスタイルを貫いているその方は語学も堪能で、コーヒー農園主の方との交友関係も広く、お話を聞いているだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。


国によって違う豆の味


コーヒー生産国は中米、南米、アフリカ等、赤道付近の国々に集中しています。しかし、国の数に比べてコーヒーそのものの種類は少なめです。それらが各国の土壌や気候で育つと、それぞれに違った味が出来上がるというのですから不思議な話ですね。わたしは個人的には中米のコスタリカ産のコーヒーが美味しいように感じました。





▲撮影の時はいつも新鮮な豆を使います。



グラインダーで挽き、ペーパーフィルターで抽出


豆を選んだら、ここからはこだわりの世界です。自分好みの挽き加減で、ペーパーフィルターから落とし込みます。フレンチプレスも試しましたが、ペーパーフィルターが自分の好みのようです。お湯を注ぐその瞬間、なんともいえない香ばしい香りが部屋を支配するので、オフィスでもこの瞬間はとても楽しみです。当然手間はかかりますが、慣れれば1分ほどで豆からコーヒーが出来上がります。

最初はお仕事として、コーヒーに関わっていましたが、知らぬ間にコーヒーを飲むのが楽しくなっていました。もちろん仕事としても、コーヒーをより素敵に魅せる方法を日々模索しつつ、さらにおいしいコーヒーに出会いたいと思っています。