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Image by Dong Cheng

千と希の設計図 web版 2022年1月号



●色弱者、高齢者向の色使いを考える


11月に行われた色彩検定は、滞りなく終了しました。今回は社長の受けたUC級の内容から、色について少し考えていきたいと思います。「年齢や能力、状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいように、製品や建物・環境をデザインする」ことを「ユニバーサルデザイン」と言います。アメリカのロナルド・メイス博士という方が提唱しました。彼は自身が車椅子生活だったことから、「後付けでなく、最初から」使いやすいものをデザインする、という「バリアフリー」に変わる新しい考え方を世の中に広めたのです。

今回勉強したUC級のUCとはユニバーサルカラーのことで、高齢者や視覚異常のある人にとってもわかりやすい色の配色を学ぶという内容でした。



かつて「色盲」呼ばれた色覚異常(※)


目の奥の網膜に光の波長を感知する3種類の細胞があります。それぞれ波長の長、中、短を識別することができるのですが、そのうちのひとつが機能しない状態を色覚異常と呼びます。色は様々な光の波長の組み合わせで表現されるので、バランスが崩れてしまうということですね。いい例えかわかりませんが、プリンターの一色だけがなくなった状態で印刷した時のようなイメージです。これは遺伝によるもので、男女ともその因子はもっているのですが、実際に色覚異常が発現するのは男性に大きく偏っています。


※「盲」という言葉に差別的な意味合いが含まれることもありますが、実際に色覚異常の方は色が全く見えない(モノクロに見えている)わけではなく、特定の色域の判別が難しいだけでほとんどの色の差異は認知できるので、言葉そのものが当てはまっていないことから最近は使わないケースが多いようです。


 




色覚異常の人が判別しづらい色


色覚異常と言っても色々型があるので一概には言えませんが、右(図1)のような色の組み合わせの判別が難しいようです。違った色なのに同化してしまうので、この組み合わせで重