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Image by Dong Cheng

千と希の設計図 web版 2025年10月号


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働き方の多様化とその光と影


 「ワークライフバランス」という言葉が広まり、ずいぶん時が経ちました。今では「自分に合った働き方をしたい」という価値観がすっかり定着し、社会全体の空気も変わったように感じます。企業側も長時間労働への規制や割増賃金の引き上げ、有給休暇の取得義務化など、さまざまな制度改革を迫られました。「従業員を働かせすぎると、ひどい目を見るぞ」という警鐘…というか圧力を感じるほどです。

 大手広告代理店で起きた痛ましい事件をきっかけに、「働きすぎの日本人からの脱却」「ブラック企業の撲滅」「昭和的体質の見直し」といった流れが生まれ、世の中が良い方向へ動いているようにも見えました。


生産性の壁と〝次の課題〟


 ところが、その「改革」の成果が十分に実を結んでいるかというと、どうやらそうでもないようです。日本の時間当たり労働生産性はOECD38カ国中29位、一人当たり労働生産性は32位(日本生産性本部・2024年調査)と、依然として低水準にとどまっています。一方で、労働時間は短い国の部類に入りました。つまり、働く時間は減ったけれど、成果は上がっていない。そんな状況です。働かないのだから生産できてないだけですね…。

 最近では、新しい総理大臣が「ワークライフバランスという言葉を捨てる」と発言し、賛否両論が巻き起こりました。少し行き過ぎた“バランス信仰”を見直す時期に来ているのかもしれません。


「量」が「質」をつくる世界


 クリエイティブの現場では、最終的なアウトプットでしか評価されません。そのクオリティは、才能よりも“量”の積み重ねに比例します。スポーツ選手や音楽家が日々練習を重ねるように、デザインもまた一朝一夕で身につくものではありません。

 特に20代は体力が最大の武器。若いうちはとにかく手を動かし、圧倒的な物量をこなすことが、30代になった時に“速くて上手い”クリエイターを生み出します。現在第一線で活躍するアートディレクターや独立デザイナーの多くも、例外なくそうした時期を経ています。


泥臭い努力が技術を鍛える


 私自身、若い頃は週のうち2、3日は会社に泊まり込み、終電で帰れる日も月に数日でした(他はカプセルホテル)。次々と舞い込む案件をこなし、新しい表現に挑み続ける毎日。給料はさほど変わらなくても、仕事そのものが楽しくて仕方なかったのです。いわゆる“ワーカホリック”でした。残業時間は100時間などほぼ毎月超えていました。

 けれど、その経験が確実に技術を鍛えました。誰よりも速く、誰よりも多く手を動かした結果、クライアントからの信頼も厚くなり、営業チームから頼られる存在になったのを覚えています。


手を動かすから、引き出しが増える


 物量をこなすことで、自然とスピードも上がります。短納期案件にも対応でき、A案・B案を即座に形にして比較検討できるのは強みです。

 逆に手が遅いと、選択肢を試すことすらためらってしまう。多くの試行錯誤を積んだ人ほど、経験という名の“引き出し”が増え、どんな案件にも応用が利くようになるのです。限られた時間の中で実力以上のものをひねり出す―その経験が、確かなスキルの糧になります。こが埋まっていないと、どんなに高学歴でもほぼ不採用。これはシンプルな基準です。


効率化は「削る」ためでなく「磨く」ために


 もちろん、すべてが無駄のない努力だったとは言えません。テクノロジーが進化した今なら、AIなどを活用して省ける部分も多いでしょう。

 しかしAIはあくまで“道具”であり、本質的な価値は「選び抜く力」にあります。センスとは生まれ持った才能ではなく、経験から磨かれる判断力のことです。


練習を避ける社会で、どう鍛えるか


 最近は社員と「上達の三段飛ばし」をテーマに、効率よく成長するための方法を共有しています。ただ、「働き方改革」世代にとって、泥臭い反復練習に耐えるのは難しい時代でもあります。

それでも、実際に腕を上げているのは、例外なく“人より多く手を動かしている人”です。サビ残(!)で自分を鍛えている少数派が、次の時代を引っ張っていくかもしれません。

 結局のところ、「たくさん練習した人が上手になる」という当たり前の法則は、仕事の世界でも変わりません。1日8時間という枠にきっちり収まる努力だけでは、見えない景色もある。―そう感じてしまうのは、やはり経営者の性(さが)でしょうか。




「新しいスタッフがやってきました!



8月からスタッフ募集をかけた結果、

書類審査・面接を経て、1名の採用が決まりました!

約50名の応募から1名――倍率50倍の“狭き門”を突破したわけです。

今回はその裏側、つまり「不採用になった方々の“あるある”」を少しだけご紹介します。

(※あくまで愛をもってお届けします)


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「来年(4ヶ月後)から入社希望です」


今働いてないのに、なぜそんなに余裕があるのか“来年の春から社会人ごっこ”みたいなテンションは、さすがにちょっと心配になります。




「1日の仕事の流れを教えてください」


日によって全然違うんです。“毎日同じ”を期待する人には、刺激が強すぎるかもしれません。


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「社内の雰囲気は良いですか?」


社長に聞くな(笑)。どの会社の代表も「うちは明るく風通しが良いです!」って言うに決まってる。




「未経験でも教えてもらえるのが志望動機です」


もちろん教えるけど、“受け身姿勢”が見えると一気にトーンダウン。成長したい人ほど「自分で勝ち取りに行く姿勢」があるんですよね。


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「免許あるけど、彼氏に止められてるので運転できません」


惚気(のろけ)は面接では不要。判断は自分でどうぞ。“彼氏の許可制”を持ち込むのは、さすがに想定外です。




「在宅希望です」


はい、フリーランスとしてご応募ください。実力・納期・予算が合えば、喜んでお願いしたいです。うちはデザイン=現場主義。




●まとめ●


応募者の皆さん、みんな一生懸命。だけど、やっぱり面接って“人柄の通信簿”なんですよね。

書類より、スキルより、「この人、一緒に働いたら気持ちいいだろうな」と思わせた人が勝ち。


―というわけで、新スタッフさん、ようこそサウザンドデザインへ!




デザイン絵画教室がひらくだより


9月の課題

「もようを描くもよう」


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「丸」や「線」の重ね方をちょっと変えたり、色の組み合わせを変えるだけで、ガラッと雰囲気が変わりますね。個性あふれる模様がたくさんあってどの作品も素敵でした。まるでファッションショーを見ているかのようです!




襟の色がアクセントになっていて素敵!
襟の色がアクセントになっていて素敵!
裾と袖口のグラデーションが綺麗!
裾と袖口のグラデーションが綺麗!

ふわふわでとっても暖かそう♪
ふわふわでとっても暖かそう♪

個性的な柄のパンツがおしゃれ☆
個性的な柄のパンツがおしゃれ☆

クラシカルで素敵。実際に着てみたい!
クラシカルで素敵。実際に着てみたい!
ポップな色がステージに映えそう♪
ポップな色がステージに映えそう♪
洗練されたデザインでかっこいい!
洗練されたデザインでかっこいい!

愛らしいカラーがとて魅力的です♪
愛らしいカラーがとて魅力的です♪

赤いドット柄が目を惹きますね。おしゃれ!
赤いドット柄が目を惹きますね。おしゃれ!

ブルーにコールドが映える!おしゃれ上級者!
ブルーにコールドが映える!おしゃれ上級者!



いろいろな作品紹介


絵画から工作まで、好きとこだわりが詰まった素敵な作品をご紹介します♪

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●最近のできごとぽろぽろ


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POM賞缶バッジ


POM賞をその年で2回取得した人に贈られる特別な缶バッジができました。POM賞缶バッジが貰えるようみんなもがんばろう!

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環境センターで食器購入


こちらは寄付された食器を安くお買い求めいただける場所です。今回撮影用に食器を新調しました! 掘り出し物も多く、選ぶのにとても迷いました…。


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OPEN看板新調


長年頑張ってくれていたOPEN看板の調子が悪くなってしまったため、新しい看板がやってきました。今日も明るく照らしてくれます!







●杉並みんなの食堂レポート


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第30回


雨予報のせいか、今回は早めに来てくださる方が多く、結果的にお天気もギリギリ守られて、とても賑やかで楽しい一日になりました! ホワイトボードで可愛い絵を書いてくれた子もいました。みんなでお絵描きするのは楽しいですね。




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■スタッフの声■

どんどん寒くなってきて、最近は風邪気味です…皆さんもお体に気をつけてください! (高井)



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