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Image by Dong Cheng

千と希の設計図 web版 2023年5月号



鯉のぼりを掲げていない率67%


 最近は見ることの少なくなった鯉のぼり。会社の近くでは、小さな橋の改修工事をしていまして、その工事期間に設置された臨時の小橋沿いに、工事の人たちが遊び心で飾ってくれた鯉のぼりがはためいています。こどもの日の行事なので、そもそも子供のいないご家庭では縁がないかもしれませんし、それは日本の少子化と比例していると言えなくもない…かは定かではありません。

 いくつかのWebサイトで掲載されているアンケート結果を見るに、やはり現代の日本人は、昔ながらの季節行事に積極的に参加している人が少ないようです。行事の種類によってまちまちですが、お月見や七夕などは7割から8割の人が「何も行わない」と答えているようです。(※)

 これは肌感としても一致していますし、むしろ「2〜3割も何かしら行事を楽しんでるの?」と不思議になります。


名目が欲しい小売業


 日本の伝統文化として、こういった行事は残すべき、という観点もあろうかと思います。しかし加速する行事離れを水際で食い止めているのは我々デザイナーだと言っても過言ではありません。イベントや物販の世界においては、時節の名目は大きな力を持っており、デザイナーはその季節から連想されるモチーフをふんだんに盛り込むことで、日本の季節感を華やかに演出しています。(右図)

 「そもそも日本の文化じゃない」といったものも散見されますし、梅雨なども単に雨が降っているだけの現象です。しかしながらこれらを具体的にビジュアルにし、あたかも世の中がそのように存在しているかのごとく、皆さんを洗脳していっています(笑)。

 もちろん、これは意味のないことではありません。忘れがちな母の日、父の日を思い出させてくれることで、親子のコミュニケーションが取れたり、美しい自然に目を向ける機会が与えられたりします。ただ、我々は実際の感覚の数倍のテンションで盛り上げるビジュアルを作っていく必要があるので、マインドの切り替えに戸惑います。しかも、実際の月の2、3ヶ月前に作るので、例年11月には正月の気分を存分に堪能しています。


微妙に困るスキマ


 1月は正月の三が日を過ぎると、途端にネタがなくなります。2月も同様で、3日ごろに節分が終わると、もはや豆まきネタは時代遅れとなります。頼みの綱であるバレンタインデーは節分ほど強力ではありません。6月なども全般的にこれといった派手な行事も連休もないので、季節感を出しづらい月です。

 他にも作りづらいタイミングは多々あるのですが、個人的にいつも難しさを覚えるのはクリスマスが終わった残り1週間ほど、「歳末感」です。日本っぽさを出しつつも、正月ではない。干支も使えないが特にこれといったモチーフもない。大抵はセールの案内なので、寒い季節だが寒い雰囲気は出せない、といった条件に悩みます。結果、若干正月寄りの色味で、モチーフに正月要素がない、というデザインが出来上がります。苦肉の策としては招き猫とか筆文字とかになりますね。みなさんもクリスマス後のチラシなどを見ることがありましたら、そんな視点で見ていただけると、デザイナーの苦労が見え隠れするかもしれません(笑)。


 さて、デザイナーがこの季節感の演出をやめてしまったとしたら、世の中からこれらの文化が消え、我々の生活は味気ない日々の連続かもしれません。ぜひ季節ごとのビジュアルをなんとなく記憶していただけたら嬉しいと思う今日この頃。

 

 

紙の値上げにげんなり


ウクライナ戦争から端を発したのが本当なのか嘘なのか、はたまたパンデミックが元凶なのか、世界的なインフレで物価上昇が止まりません。がっきー社長の常食、コンビニのお弁当も目に見えて値段が上がり、強制的にダイエットに突入しました。デザイン会社、こと紙媒体を主戦場とする我々のようなデザイン会社はたまったものではありません。ただでさえ紙離れと言われている中、「紙の良さがあるよね」と肯定的だった人も、紙媒体を縮小せざるを得なくなってきています…と、愚痴っていても仕方がないのですが、ため息しか出ないのが現実です。

 印刷業はもっと厳しい立場に置かれているかと思います。ちなみに印刷代の約半分は紙代ですので、印刷業者が自助努力でなんとかするのは無理があるのもわかります。我々もお客様に頭を下げてご納得いただいている状態でして、そんな中とても「デザイン代金をあげたい」と言い出せない風潮があります。他の業種が値上げの際には「原材料高騰のため」「輸送費高騰のため」などと大元の原因を他の物質的なものにあるような言い訳をしているのを見るに、直接的に自分の仕事に対して値上げを言いづらい文化があるのかもしれません。サービス業は特に。

 もっともデザインのコアの部分だけを見ても、PCの値上げ(かなり上がりました)、書体の値上げ(とんでもないです)、電気代の値上げなど、徐々に苦しくなってきています。今のところはなんとか自社の努力でなんとかしようとは思っています。嗚呼、デザイン会社に幸あれ。


富士フィルムの会社からの値上げのお知らせ




 


永代を楽しむサイト 「永代みたい」をもっとみたい!




永代グッズできました!


ずっと「comming soon…」状態だった永代グッズですが、ついに完成! 幅広くいろいろな人に愛着を持ってもらえるデザインで作りました。その数なんと120種類! とにかく種類が豊富なので、自分のお気に入りのグッズがきっと見つかります。ぜひ見てみてください!





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デザイン絵画教室がひらくだより




4月の課題

「豆本


今月は小さな本作り ! 図鑑にしたり物語を描いたり、個性あふれる作品が揃いました ! 70分で全ページ描ききれなくても、後日お家で続きを描いた作品を持ってきてくれる子もたくさんいました !



本物の図鑑みたい ! たくさん種類を描いてくれて、先生たちも勉強になります…!




未確認動物の生体や特徴が書かれていて、読めば読むほど面白い !




カラフルな表紙と飛び出す中身 !たくさん工夫してくれました ! セリフもかわいい !





誰もがハマるであろう、体験型の絵本 !シリーズ化してほしい !





表情豊かな猫と毛玉。引き込まれる物語でした。ラストは感動の結末!?




参考にしたい髪型がたくさん ! このヘアカタログを持って美容院へGO!




 


●最近のできごとぽろぽろ


プリンター交換×2回


社内校正用に使っているプリンターのインクの調子がおかしい…ということで代わりのものが届いたのですが、これまたインクが不調。デザインを確認するのに色がおかしいのは致命的。2回の交換となりました。



ぬり絵ブーム


ぬり絵コンテスト以来会社でぬり絵ブームがきていて、いろいろなぬり絵が出来上がっています。奥西先生作の大人絵画教室のぬり絵も好評で、今2枚目を作成中です。塗れば誰でも素敵な作品を作ることができます !



杉並みんなの食堂


こども食堂のスタッフに加わってきました ! 親子で美味しそうに食べているのを見て心が満たされました。食べ終わったこどもたちとミニ絵画教室みたいなことも。




絵画教室の看板張り替え


ぼろぼろになった絵画教室の看板シールを張り替えました。風雨に負けないように今回は内側から貼るタイプにしたのですが、気泡が入って大変 ! 試行錯誤しながらなんとかきれいに仕上げました。



 

■スタッフの声■

暑い日も出てきましたね ! 最近は見かけない鯉のぼりですが、永代ではたくさん見られるのでテンションが上がります (山本)

 

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