
絵が描けるデザイナーになろう
デザインと絵は別物、と思われがち。ただ、近しい存在であることに違いはないと思っています。ダ・ヴィンチが芸術家でありながら物理学者・生物学者であったように…と言うと飛躍しすぎなのですが、占星術と天文学くらいの近さはあるのではないかと思います。プリミティブな道具を使って、一から十まで作り上げる人のことを尊敬する性格の持ち主だったがっきー社長は、どちらかというとデザイナーより画家の方を尊敬しています(笑)。特に現在のデザイナーはPCやAdobeソフト、モリサワ書体、Chat Gptなどの道具に頼りまくっています。悪いことではないにしろ、道具を奪われたら「ただの人」になってしまわないよう、アナログの技術も磨きたい今日この頃です。
絵画教室の存在意義
弊社スタッフにも同じように思ってもらいたいと考え、アナログで絵を描くことを推奨しています。ペンタブレットは一人一台備え付けてあり、アナログの画材も豊富に使えますので、いつでもインスピレーションを形にすることができます。弊社が行っている絵画教室の存在意義はそこにもあって、手を動かす感覚を忘れずに、常に能力の一つとしてすぐに引き出せるようになってほしいと思いますね。手で描く感覚は、そのままデザインを作っていく時に大いに役に立ちます。その一つが、アクションラインとカウンターシェイプです。
アクションライン
これは人物や動物を描く際に、動きを表す大まかな流れを可視化したものです。下図の黒いS字線がそれにあたりますね。S字かC字になることが多く、この流れを意識することで、人の目に落ち着く動きを表現できます。ちなみに、絵画教室で人物を描きたい、という方はこの描き方もお伝えできるので、ご希望の方は備考欄にてお申し付けください。

カウンターシェイプ
先ほどのアクションラインに沿って出来上がった絵が少し物足りないな、と感じた際、次に入れるラインはそれによってバランスが取れて落ち着くラインであるべきです。それがカウンターシェイプといいまして、アクションラインと交わるように引かれるラインです。下図の女性のイラストで言うと、赤がアクションライン、青がカウンターシェイプ、となります。これは背景で補う場合、服で補う場合、手の動きで補う場合、道具を持たせて補う場合など、いろいろなパターンがありますが、例として羽を生やしてみました(笑)。

さて、この考え方はまんま文字のレイアウトに直結します。例として、長めの文字列をアクションラインぽく配置してみました(①)。ただ、どうしても縦に間伸びしてしまうため、葉っぱのモチーフを足してみました(②)。しかしこれでは縦のアクションラインばかりが強調されて、今ひとつ落ち着きません。そこでカウンターシェイプの登場です。横に英語文字を配置し、横の流れが生み出されます(③)。ただ、これだけではまだアクションラインの勢いが強いので、カウンターシェイプに沿って、葉っぱのモチーフも横にします。すると、左右にバランスの取れた形が出来上がりますね(④)。
これは生け花などにも通じる話ではないかと思います。そしてこのアクションラインやカウンターシェイプを身につけるために、理論的にセンスを磨くことも可能ですが、紙にペンで描くのが有効だと思っています。というのは、このラインを描き出す際、何度か紙の上で手を往復させる動きを人間はしてしまいます。この運動が、見えないラインを導き出すトリガーなんじゃないかと思うのです。なんとまぁ自分勝手な理論かと自分でも思いますが、私自身はそういう感覚でデザインをしています。絵画とデザインは近しい存在だと感じるのはそういうところからでしょうか。絵画教室では、多くの人と絵の楽しみを共有すべくいろんな課題をご用意しています。「こういうのをやってみたい」と思ったら、ぜひご予約の際にご要望をお伝えください。

デザイン絵画教室がひらく絵画教室
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